アルキメデー(古希: Ἀλκιμέδη, Alkimedē)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してアルキメデとも表記される。テッサリアー地方の都市ピュラケーの王ピュラコスとオルコメノス王ミニュアースの娘クリュメネーとの娘で、イーピクロスの姉。アイソーンと結婚し、イアーソーンを生んだ。イアーソーンはアルゴー船の冒険で有名。

概要

アイソーンの妻をアルキメデーとしたのはレーロスのペレキューデースで、ロドスのアポローニオスのほかにヒュギーヌスがこの説を採った。ただしヒュギーヌスはクリュメノスとクリュメネーの娘としている。イアーソーンをはじめ何人かのアルゴナウタイがミニュアースの娘から生まれていることは、彼らがミニュアイ(「ミニュアースの子供たち」の意)と呼ばれたことの由来として語られている。これに対してヘーシオドスはポリュメーレー、アポロドーロスはポリュメーデー(アウトリュコスの娘)とした。

なお、ロドスのアポローニオスはアルゴー船がコルキスを目指してイオールコスを出港したとき、すでに夫アイソーンは死去しており、アルキメデーは人々とともにイアーソーンを見送ったと語っている。

系図


脚注

参考文献

  • アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
  • 『オデュッセイア/アルゴナウティカ』松平千秋・岡道男訳、講談社(1982年)
  • ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照夫訳、講談社学術文庫(2005年)
  • 『ヘシオドス 全作品』中務哲郎訳、京都大学学術出版会(2013年)
  • 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)

関連項目

  • イアーソーン
  • ミニュアース
  • ペリアース

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