見つめあう恋』(みつめあうこい、原題:A Kind of Hush)は、カーペンターズが1976年に発表したアルバム。スタジオ・アルバムとしては7作目。

解説

カレン・カーペンターの神経性無食欲症や、リチャード・カーペンターの睡眠薬依存といった問題が表面化してきた時期に作られた作品。ドラム・パートは、元デレク・アンド・ザ・ドミノスのジム・ゴードンと、カーペンターズのツアー・メンバーのカビー・オブライエンが担当し、カレンは本作では1曲もドラムを叩いていない。リチャードは後に、当時の自分がベストの状態でなかったと述懐し、「グーファス」と「悲しき慕情」のカヴァーは気に入っていないとコメントしている。ただし、カレンは「グーファス」のレコーディングを楽しんでいたという。「グーファス」には、無名時代のカーペンター兄妹が組んでいたリチャード・カーペンター・トリオのメンバーで、その後デトロイト交響楽団に入ったウェス・ジェイコブスが参加。

本作からのシングルは、Billboard Hot 100のトップ10に入ることはできず、ハーマンズ・ハーミッツのカヴァー「見つめあう恋」が12位、「青春の輝き」が25位、「グーファス」が56位であった。ただし、「見つめあう恋」と「青春の輝き」は、イージー・リスニング・チャート(後のアダルト・コンテンポラリー・チャート)では1位を獲得している。アルバムの方も、『遙かなる影』(1970年)以降のオリジナル・アルバムとしては初めて全米トップ20入りを逃してしまうが、イギリスや日本ではベスト10にランク・インを果たした。

日本では、本作からのサード・シングルとして、「グーファス」の代わりにニール・セダカのカヴァー「悲しき慕情」がリリースされ、オリコンで71位に達した。また、1995年には、「青春の輝き」が日本のテレビドラマ『未成年』の主題歌に起用され、オリコン5位というリバイバル・ヒットを果たした。

収録曲

Side 1
  1. 見つめあう恋 - "There's a Kind of Hush" (Les Reed, Geoff Stephens) - 3:03
  2. ユー - "You" (Randy Edelman)
  3. サンディー - "Sandy" (Richard Carpenter, John Bettis)
  4. グーファス - "Goofus" (Wayne King, William Harold, Gus Kahn)
  5. 微笑の泉 - "Can't Smile Without You" (Chris Arnold, David Martin, Geoff Morrow)
Side 2
  1. 青春の輝き - "I Need to Be in Love" (R. Carpenter, J. Bettis, Albert Hammond)
  2. ワン・モア・タイム - "One More Time" (Lewis Anderson)
  3. 夢の小舟 - "Boat to Sail" (Jackie DeShannon)
  4. 愛のキャンドル・ライト - "I Have You" (R. Carpenter, J. Bettis)
  5. 悲しき慕情 - "Breaking Up Is Hard to Do" (Neil Sedaka, Howard Greenfield)

参加ミュージシャン

  • カレン・カーペンター - ボーカル、ヴィブラフォン
  • リチャード・カーペンター - ボーカル、キーボード、ヴィブラフォン
  • トニー・ペルーソ - ギター
  • ジョー・オズボーン - ベース
  • ジム・ゴードン - ドラムス (on 1. 2. 5. 6. 7. 8. 9. 10.)
  • カビー・オブライエン - ドラムス (on 3. 4.)
  • トム・スコット - フルート、クラリネット (on 3.)
  • ボブ・メッセンジャー - テナー・サックス、フルート
  • デヴィッド・ショスタク - フルート (on 6.)
  • ジム・ホーン - バリトン・サックス (on 10.)
  • ダグ・ストローン - ホイッスル
  • ウェス・ジェイコブス - チューバ (on 4.)
  • アール・ダムラー - オーボエ、イングリッシュホルン
  • ゲイル・レヴァント - ハープ

脚注


Paul Mauriat 見つめあう恋 YouTube

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