ローラ・T810/日産は、1985年、IMSA-GTPおよび全日本耐久選手権参戦用にローラ・カーズが製作したGTP/グループCカーである。

エンジンは日産自動車のフェアレディZ用3リッターV型6気筒ターボエンジン・VG30を搭載。IMSA用がシングルターボ、グループCがツインターボとなる。

なお、IMSAでは日産GTP ZX-T、日本ではフェアレディZCの名でエントリーをしていた。

概要

GTOからGTPへとステップアップするエレクトラモーティブ用のシャシーとして開発された。なおローラは同じ時期にGM(シボレー)用のシャシーT710も開発している。同じ時期、日本の日産もグループC用にエレクトラモーティブ・チューンのVG30を導入することを決めた。エレクトラモーティブ側からは、このエンジンをT810シャシーとセットで購入するように要求されたものの、日本サイドではローラを使った経験が無かった。そこで、マーチ・85Gも投入する両面作戦となった。マーチはホシノレーシング、ハセミモータースポーツ、ローラはセントラル20が使用することになった。

戦績

IMSAデビューは、4月のIMSA第5戦リバーサイド。しかし予選(15位)のみで決勝はキャンセル。続く第6戦ラグナ・セカでデビュー、11位で完走している。 暫く休んだあと、7月の第11戦ポートランドから復帰。結局この年は予選8位、決勝9位が最高位と目立った戦績はあげていない。

日本国内では85年7月の富士500マイルがデビュー戦である。ドライバーは柳田春人/鈴木亜久里。予選5位とまずまずながら決勝はリタイヤ。この年はWEC-JAPANの8位が最高位であった。

翌1986年、エレクトラモーティブではIMSA第12戦ポートランドから、鈴鹿実隆デザインのオリジナルボディを投入、ポールポジション2回、決勝3位1回と徐々に好成績をあげていく。一方日本国内では全日本耐久第2戦・富士1000kmで6位に入賞するもこれが最上位。第4戦鈴鹿1000kmを最後にセントラル20ではマーチ85Gにマシンを変更し、役割を終える。

1987年のIMSAでは、第3戦マイアミGPでついに初優勝を遂げる。

1988年には、このローラT810をベースにエレクトラモーティブのオリジナルマシンを投入、連勝街道を突き進むことになる。この1988年に投入されたオリジナルマシンはローラと区別するため日産・GTP ZX-T88と呼ばれることもある。

関連項目

  • 日産自動車のモータースポーツ
  • グループCカーの一覧

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